2006年4月1日(土)「しんぶん赤旗」

国際自由権規約とは?


 〈問い〉 堀越さんへの弾圧事件が「国際自由権規約に反する」と報道されていましたが、どういう意味ですか?(埼玉・一読者)

 〈答え〉 国際自由権規約とは、1966年12月の国連総会で採択され、76年に発効した「市民的及び政治的権利に関する国際規約」をさします。

 これは、1948年の世界人権宣言の内容を各国において拘束力のある法規範にするためにつくられたものです。日本は自由権規約を79年6月に批准しており、条約はそのまま国内法としての効力をもち、かつ法律より上位にありますから、裁判所は、法律や規則が自由権規約に抵触すれば違法・無効であると判断しなければならないのです。

 堀越事件は、国家公務員である堀越明男氏が、休日、勤務地から遠く離れた居住地周辺のマンション集合ポストなどに、「しんぶん赤旗」号外等を投かんした行為が、政治的行為を制限した国家公務員法第102条と人事院規則に違反するとして起訴されたものです。

 堀越氏の行為に適用された国公法と人事院規則は、国家公務員の政治活動を一律全面的に禁止するもので、日本国憲法によって保障されている人権諸規定に違反するだけではなく、自由権規約の諸規定に違反します。

 自由権規約第19条は、公務員であるか否かを問わず、すべての人に表現の自由を保障しています。また、表現の自由を制限できるのは、自由権規約の定める目的のために必要であると法律で定められている場合に限られますが、国公法にはそのような規定は何もないどころか、どんな政治的行為が犯罪になるかについて、行政庁である人事院の規則で定めています。これは、権利の制限を法律で定めるとする規定に反します。

 このほか、何人も法律で定める理由によらずに逮捕されないとした第9条、私生活を不法に干渉されないとした第17条にも違反しています。このように、堀越事件の起訴は違憲というだけでなく、自由権規約という国際的な人権基準からも明確に違反しており、無罪なのです。(岡)

 〔2006・4・1(土)〕


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp