2006年4月2日(日)「しんぶん赤旗」
「戦術的誤り」認める
イラク武力侵攻は正当化
米国務長官
【ロンドン=岡崎衆史】ライス米国務長官は三十一日、英中西部のブラックバーンで演説し、イラク・フセイン政権打倒の武力侵攻は「正しい戦略的決定」だが、米国はイラク政策などで「何千もの戦術的な誤り」を犯したと認めました。
同長官は、「フセイン(元イラク大統領)は長期にわたり国際社会への脅威」だったとし、軍事力によるイラクの旧政権打倒を「正しい戦略的決定だった」と強調。一方で個々の政策で「何千もの戦術的な誤りを犯したのは確かだ」と述べました。
イラン問題については、「米大統領はどんな選択肢も排除してはいない」として、軍事行動を排除していないことを明言するとともに、今は外交活動の過程にあり、軍事行動は「日程に上っていない」と述べました。
ライス長官に先立ち、サッチャー保守党政権時のハード元外相が発言。「世界の唯一の超大国が他のどの国とも同様にルールに従ってのみ、世界は機能する」と述べ、米国を暗に批判しました。
ライス長官はこのあとリバプールを訪問し、元ビートルズのポール・マッカートニー氏との面会を希望しましたが、拒否されました。同長官は、訪問した先々で、ブッシュ政権の戦争政策を批判するデモに出迎えられました。