2006年4月6日(木)「しんぶん赤旗」
米軍機訓練 際限なし
移転先5基地 「年4回」の撤廃狙う
仁比議員批判
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日本共産党の仁比聡平議員は五日、参院決算委員会で、在日米軍再編による米軍機訓練の自衛隊基地への移転問題をとりあげ、「際限のない基地強化、恒久的な米軍基地化につながる」と批判しました。
日米両政府は、嘉手納基地(沖縄県)など三米軍基地の訓練を、千歳(北海道)、百里(茨城県)、小松(石川県)、築城(福岡県)、新田原(宮崎県)の五自衛隊基地に、日米共同訓練という形で移転することを計画しています。
これまで日米間や政府・地元自治体間では、各自衛隊基地での共同訓練の年間回数を「四回」と制限する合意を交わしています。ところが政府は今回の移転にあたり、この制限の「撤廃」方針を打ち出しています。
仁比氏は、小松市と名古屋防衛施設局(当時)が、小松基地での回数制限を定めた協定書(一九八二年)を交わした背景には、自衛隊機による市街地墜落事故(六九年、住民死傷者二十二人)や爆音などの基地被害を受けている住民の切実な要求があるとして、「回数制限の撤廃は許されない」と批判しました。
そのうえで、移転を計画している六―十二機程度の米軍機による八―十四日間の訓練が、これまで移転先の自衛隊基地では、ほとんど実施されてこなかった規模であると述べ、「実績比で見て、格段に頻繁に共同訓練が行われることになる」と告発しました。
額賀福志郎防衛庁長官は「訓練回数を全国で負担し、沖縄の負担を少なくしていこうというものだ」と答弁しました。
仁比氏は、嘉手納基地を抱える嘉手納町議会があげた決議(〇六年一月)が求めているのは「F15戦闘機部隊の撤去」であり「移転」ではないと指摘し、「沖縄県民は、耐え難い被害をたらい回しすることを断じて望んでいない。沖縄を口実にすることはやめるべきだ」と述べました。