2006年4月6日(木)「しんぶん赤旗」
イラク撤退「賛成」61%
米ウィスコンシン州32自治体
住民投票
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【ワシントン=山崎伸治】米中西部ウィスコンシン州(人口約五百三十六万人)で四日、イラクからの米軍撤退を求める住民投票が州都マディソンなど三十二自治体で実施され、二十四自治体で賛成が反対を上回りました。イラク戦争開始から三周年を過ぎ、占領の継続に強い批判が米国民の間に広まっていることを改めて示しました。
住民投票は同州の平和、環境、人権組織百五十三団体が加盟する「ウィスコンシン平和と正義のネットワーク」が取り組んだものです。投票は「決議案」に対する賛否を問うもので、文言は自治体ごとに異なりますが、いずれも基本的に米軍の「すみやかな撤退」を求めています。
このうち人口約二十一万人のマディソンでは、68%が「いますぐ撤退」に賛成。南東部のショーウッドでは70%が賛成票を投じました。
マディソンに近いエバンズビルでは、51%が賛成するとともに、ブッシュ支持派が提案した「ブッシュ大統領を支持する」との住民投票で反対票がわずかながら上回りました。
住民投票は三十二自治体で個別に行われたものの、全体では61%が「すみやかな撤退」に賛成しました。
住民投票の結果には法的な拘束力はありませんが、米軍のイラク占領継続に対する米国民の批判、不満の声を示すものとなっています。
「ウィスコンシン平和と正義のネットワーク」は、今後も住民投票の運動を継続するとしており、同州最大の都市ミルウォーキー(人口約六十万人)では、十一月の中間選挙の際にイラク撤退問題での住民投票が行われることがすでに決まっています。