2006年4月8日(土)「しんぶん赤旗」
イラク関連機密情報漏えい
「米大統領が承認」
前補佐官証言
【ワシントン=鎌塚由美】米中央情報局(CIA)工作員実名漏えい事件で偽証などの罪で起訴されているリビー被告(前副大統領首席補佐官)が、イラク関連の機密情報漏えいをブッシュ大統領が承認していたと証言していることが、六日判明しました。
この事件で大統領の関与が指摘されたのは初めて。事件は、ブッシュ政権が情報操作をして国民と議会を欺きイラク戦争を強行した重大な疑惑にかかわる問題であり、イラク戦争で大きく揺れる同政権に、いっそうの打撃を与えそうです。
同事件では、イラク戦争開始の口実の一つとされたイラクのウラン購入疑惑をウィルソン元駐ガボン大使が否定したため、その信用失墜のため、同氏の妻がCIA秘密工作員であることがメディアに漏らされました。権限のない者がCIA秘密工作員の名前を明かすことは犯罪となります。そのため特別検察官が任命され捜査が続いています。これまではチェイニー副大統領の関与が指摘されていました。
情報漏えいに関しブッシュ氏は、「このようなことをした者は政権にはいられない」と強い調子で批判していました。
民主党の全国委員会のディーン委員長は、「大統領が政治的利益のために、機密情報を漏らし、国家安全保障よりも共和党の利益を優先させた」とし、「もはや米国の安全を彼が守り続けるとは信用できない」と批判しました。