2006年4月13日(木)「しんぶん赤旗」
沖縄新基地
住宅上空回避 保証なし
赤嶺議員 巨大化案を追及
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日本共産党の赤嶺政賢議員は十二日の衆院外務委員会で、防衛庁と名護市が合意した、キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市)への米軍新基地建設計画について、住宅地上空での米軍機の飛行回避を保証する「担保がどこにあるというのか」と追及しました。
七日の合意案は、滑走路を二本建設する計画です。計器飛行の米軍機が着陸する場合は陸側の滑走路を、離陸する場合は海側の滑走路を使うなどして、名護市が求めた辺野古などの住宅地上空の飛行を回避するとしています(地図)。しかし、これが建設されれば、沖縄に滑走路二本の航空基地が、嘉手納基地とあわせ二つも存在するという異常な事態になります。地元住民からは「本当に、飛行ルートを米軍が守るという保証があるのか」などと不安の声があがっています。
赤嶺氏は、普天間基地や嘉手納基地での深夜・早朝の米軍機の飛行禁止を決めた日米合意でも「米軍の運用上の所要のために必要と考えられる」範囲に限られているため、これが“抜け穴”になって、米軍機は深夜・早朝の飛行を繰り返していることを例示。「(沖縄に駐留する米軍の実態は)どんな協定を結んでも、守らないということだ」と批判しました。
また、普天間基地のヘリ部隊は、キャンプ・シュワブに近いキャンプ・ハンセンや北部訓練場で繰り返し訓練していることをあげ、新基地とこれらの基地間を飛行する際に、住宅地上空の飛行回避が「どうやったら可能だというのか」とただしました。
北原巌男防衛施設庁長官は「アメリカに対し、われわれの考えを述べ、理解を求めていく」と述べ、住宅地上空の飛行を回避する担保を示せませんでした。
赤嶺氏は「『理解を求めていく』という程度であれば、今までと同じ結果の繰り返しだ。普天間基地の危険を、シュワブに持っていくだけだ」と指摘。米軍が滑走路二本の基地を手に入れることで、かえって住民への危険度も、環境破壊につながる埋め立て面積も増大すると批判しました。