2006年4月15日(土)「しんぶん赤旗」

政府の“イラクでの失敗”批判

国防長官に辞任要求
元米軍高官が次々…


 【ワシントン=鎌塚由美】イラク戦争・占領作戦を指揮してきた米軍制服組の最高幹部経験者らが、ラムズフェルド国防長官は辞任すべきだとの声を相次いであげています。イラク戦争の深刻な行き詰まりを改めて示す動きとして注目されています。


 昨年まで陸軍第八二空挺(くうてい)師団司令官を務めたスワナック元陸軍少将は十三日、CNNテレビのインタビューでラムズフェルド国防長官がイラク戦争で「絶対的失敗」を犯したとし、同長官の辞任を求めました。リグズ退役陸軍大将も同日、ナショナル・パブリック・ラジオで同長官を「ごう慢」だと批判しました。

 二〇〇四年から一年間、イラクで第一歩兵師団司令官を務めたバティスト退役少将は十二日、CNNテレビで、ラムズフェルド長官の辞任を求めました。同氏は、軍人の意見に耳を傾けないラムズフェルド長官の姿勢を取り上げ、「チームワークを理解し、脅しなしでチームづくりができる指導者が必要だ」と述べました。

 これまでに、イラク戦争を統括する中央軍のジニ元司令官、イラク治安部隊育成の責任者だったイートン元陸軍少将、統合参謀部作戦部長だったニューボルド中将らがラムズフェルド長官を批判しています。

 ジニ元司令官は、新著でブッシュ政権とラムズフェルド長官を批判。イートン少将はニューヨーク・タイムズ紙(三月十九日付)に寄稿し、ラムズフェルド氏は「戦略・作戦・戦術的に無能だ」として辞任を求めました。ニューボルド中将は『タイムズ』誌で「イラク戦争は必要なかった」と指摘しました。

 イラク戦争の作戦、指揮にかかわった元軍高官が、米軍が依然としてイラクに駐留し軍事行動を続けるなかで文民司令官を批判するのは「前代未聞」(ロサンゼルス・タイムズ紙十三日付)だとの見方が出ています。

 同紙は、「すでに期待はずれが証明され失敗の可能性がある戦争で、将校らは責任を負いたくないのだろう」とのボストン大学バセビッチ教授の言葉を紹介しています。


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