2006年4月18日(火)「しんぶん赤旗」
市場化で格差を拡大
「行革」法案に参考人懸念
衆院委
衆院行革特別委員会は十七日、参考人質疑を行い、「行革推進」法案、「市場化テスト(公共サービス改革)」法案に懸念の声が相次ぎました。
日本大学の永山利和教授は「行政の仕事を利益重視の民間企業が担うことで、低所得者や高齢者がサービスを受けることが難しくなり、格差の拡大につながる」と「市場化テスト」法案への危ぐを表明しました。
中小企業向けの政府系金融機関の統合・民営化について、全国商工会連合会の清家孝会長は「政府系金融機関は、民間銀行の貸しはがしや貸し渋りの横行、災害時に中小企業の苦境を救ってきた」と述べ、中小企業の立場に立った改革を求めました。
連合の逢見直人副事務局長は「行革推進」法案が目標とする公務員の純減に対し、「政府案は5%の削減目標先にありきだ」と批判しました。
日本共産党の塩川鉄也議員は「『市場化テスト』法案は労働分野の規制緩和を公務労働に本格的に導入する転機になるのではないか」と質問。永山氏は「公共サービスを民間企業の仕事として運営すれば、できるだけ安い賃金で労働者を活用するインセンティブ(動機)となる。サービス内容の悪化に連動していく」と述べました。
塩川氏は国の配置基準「見直し」で地方公務員を削減することについて質問。自治労の君島一宇副委員長は「ケースワーカーや児童福祉司など国の配置基準すら満たされていないのが現場の実態。一律的な削減はサービス向上につながらない」と批判しました。
また塩川氏は「日本は公共事業で大きな政府。どうメスを入れていけばいいか」と質問。東京大学大学院の井堀利宏教授は「ムダな公共事業は残っている。入札制度を変えることが必要だ。総額を引き下げても国民に必要なサービスは提供できる」と答えました。