2006年4月18日(火)「しんぶん赤旗」
福島第一原発
津波時の対策ただす
取水問題 吉井議員ら視察
日本共産党の吉井英勝衆院議員は十七日、福島県双葉町と大熊町にまたがる東京電力福島第一原子力発電所(1―6号機)を訪れ、津波の引き波で取水不能が心配される冷却用海水の取水設備や、ひびが多発している制御棒を視察しました。同原発の杉山一弥副所長らが案内しました。
海岸に面した取水口の深さが約四メートルであることを確認した吉井議員は、「もし、四メートル以上の引き波がきたら、取水する海底が干上がってしまう。過去には三陸海岸で六メートルの引き波の記録がある。深刻な問題だ」と指摘しました。
しかも、取水口から入ってきた海水を取り込むポンプは、二・三五―二・九二メートル以上の引き波で取水できなくなります。
東電側は、想定している引き波は最大三・六メートルと説明。「最大で十分程度取水できなくなる」と認め、その場合には非常用の冷却設備を作動させる決まりだと答えました。
5号機の原子炉建屋内では、ひびが発生した使用済みハフニウム板型制御棒の実物を視察。制御棒が破損し、ステンレス破片がめくれ落ちたことについて、「安全上問題ない」とする東電側にたいし、「もし運転中に原子炉内を循環するということにでもなれば重大だ」と述べました。
視察にはほかに、日本共産党の神山悦子・長谷部淳(あつし)両福島県議、原発問題住民運動全国連絡センターの伊東達也筆頭代表委員、原発の安全性を求める福島県連絡会の早川篤雄(とくお)代表、原発の安全性を求めるいわき市民の会の吉田英策事務局長が同行しました。