2006年4月19日(水)「しんぶん赤旗」
規制改革委「見解」うのみ
仁比議員指摘 根拠もなく閣議決定
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確たる根拠もないことが政府の「規制改革委員会」の見解に盛り込まれ、十分な調査もされず、閣議決定されていた―。
こんな実態が十八日、参院法務委員会での日本共産党の仁比聡平議員の国際私法についての法律案への質問で明らかになりました。
規制改革委員会(委員長・宮内義彦オリックス会長)は、現在の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内氏)の前身です。規制改革委員会は二〇〇〇年十二月に出した「債権流動化対策」で、債務者保護を優先した現行の国際私法に関する法の改正を提言。金融機関など貸し手である「債権の譲渡人」の優位が「国際的ルール」だと主張し、〇一年三月の「規制改革推進三カ年計画」の中で閣議決定されました。
しかし、実際は「債権の譲渡人優位」の立場をとるのはアメリカなど一部の国だけで、「国際的ルール」などではありませんでした。
その後の法制審議会では、銀行からの委員も実務上の必要性はないと意見をのべ、今回の国際私法についての法改正案では、譲渡人優位は採用されていません。
仁比氏の質問に、杉浦正健法相は、「トップダウンで規制改革会議で決められたものを推進」してきたことを認めました。仁比氏は、事実関係の必要な調査もせずに、閣議決定までしてしまう政策決定のあり方をただし、「国民生活や国民経済にどんな影響があるのかが明らかにならなければ、議論はすすめられない」と批判しました。