2006年4月20日(木)「しんぶん赤旗」
公共サービス切り捨て
「行革」法案 自公が可決
共産党反対 「国の責任放棄」
民主、4法案に賛成
「簡素で効率的な政府」を口実に国民の暮らしを支える公共サービスを切り捨てる「行政改革推進」法案、「市場化テスト(公共サービス改革)」法案など「行革」関連五法案が十九日、衆院行革特別委員会で自民、公明などの賛成多数で可決されました。
衆院特別委
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国と地方の公務員の大幅削減や中小企業向け政策金融の統合・民営化などを盛り込んでいる「行革推進」法案は、自民、公明の賛成多数で可決。民間企業のための市場拡大を目的として民間企業と行政機関が競争入札して公共サービスの担い手を決める「市場化テスト」法案、まじめに活動する民間非営利団体への負担増につながる公益法人制度「改革」関連三法案は自民、民主、公明、国民新各党の賛成多数で可決しました。日本共産党、社民党は五法案すべてに反対しました。
反対討論に立った日本共産党の塩川鉄也議員は「十分審議が尽くされないまま、質疑を打ち切り、採決を強行することに断固抗議する」と表明。法案について、▽国民の安全や暮らしを支える公共部門を縮小し国の責任を放棄する▽「市場化テスト」は一部大企業のビジネスチャンス拡大を目的とするもので、行政サービスの公平性や専門性を後退させると指摘しました。また国民生活金融公庫など政策金融の統廃合は中小企業への金融支援機能を後退させ、政官業の癒着を断ち切る対策、天下り規制、談合・企業献金禁止がない、として法案に反対しました。
国家公務員の総人件費を三年間で二割削減することを盛り込んだ民主党の「行革推進」法案は、民主、国民新両党の賛成少数で否決されました。
「行革」関連法案のポイント
【「行政改革」推進法案】
・国家公務員を5年間で5%以上純減
・国基準も「見直し」地方公務員を5年間で4.6%以上純減
・国民生活金融公庫など現在の8政府系金融機関を統廃合や民営化で1機関にする
・31ある特別会計の整理合理化
【「市場化テスト」法案】
・すべての公共サービスを対象に、官民競争入札制度を導入