2006年4月21日(金)「しんぶん赤旗」
サラ金の上限金利
政府、引き下げ表明
共産党質問に
サラ金の貸付金利の上限を刑罰で規制する出資法の上限金利(年29・2%)改定問題で二十日、金利引き下げを求めた日本共産党の国会議員の質問に、政府側から規制強化・金利引き下げに前向きな発言が相次ぎました。
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仁比聡平参院議員は参院法務委員会で、「多重債務の原因は異常な高金利、過剰融資にある」と利息制限法(年15―20%)までの金利引き下げを要求。金融庁の「貸金業制度等に関する懇談会」で金利引き下げの意見が大勢を占めた状況にふれ、「利息制限法に合わせることで一致したといっても過言ではない」と発言した後藤田正純政務官に所見をただしました。
後藤田政務官は「発言は事実。座長から感想を求められ、(消費者保護という)懇談会の趣旨を忠実に示した。灰色金利撤廃が大勢で、金利を上げるという意見はなかった。消費者保護の観点から、(利息制限法を超える金利を認めなかった)最高裁の判断に重きをおくという流れだ」と答弁しました。
河野太郎法務副大臣は「上限金利については、法務省は金融庁が懇談会をふまえて出した結論に全面的に賛同していきたい」とこたえました。
与謝野馨金融担当相は参院財政金融委員会で、大門実紀史参院議員の質問に「中立的に懇談会の意見を正確に反映する報告書をつくらなくてはいけないと(事務方に)厳命している。(懇談会には)貸し手側も出ているが、オブザーバーはあくまでもオブザーバーだ。貸金業が健全な業界になるようにつとめていかなくてはいけない」とのべました。
大門議員は金利引き下げとあわせて、国民が利用しやすい公的、福祉的な生活資金融資制度を検討するように要求。与謝野金融担当相は「債権債務を直接解消する手だてはないが、その周辺で立ち直りのきっかけをつかむ公的な相談はあってしかるべきとの意見はある」とこたえました。
上限金利をめぐっては、金融庁の同懇談会が金利引き下げでおおむね一致。二十一日に中間整理を出します。今年秋にも法改正案が提出・審議される見通しで、サラ金の異常な高金利が是正されるかが注目されています。