2006年4月21日(金)「しんぶん赤旗」

大統領側近 また辞任

今度は報道官 補佐官は権限縮小

米国

　【ワシントン＝鎌塚由美】ブッシュ米大統領は十九日、マクレラン大統領報道官の辞任とローブ大統領次席補佐官の権限縮小を発表しました。イラク情勢の行き詰まりなどを背景に支持率低迷が続くなか、十一月の中間選挙に向けた人気ばん回策の一環だと指摘されています。

　ローブ氏は、ブッシュ氏のテキサス州知事時代からの選挙参謀です。二〇〇〇年と〇四年の大統領選勝利の立役者とされ、二期目ブッシュ政権では政策調整担当の次席補佐官に就任しました。

　しかしハリケーン「カトリーナ」への対応の遅れなどで責任が問われ、中央情報局（ＣＩＡ）秘密工作員実名漏えい事件では捜査対象となっています。ニューヨーク・タイムズ二十日付は、ローブ氏の権限縮小は「昨年の政策の失敗を（政府が）認めたものだと解釈されている」と報じています。

　ブッシュ政権の支持率低迷で与党・共和党内で中間選挙への危機感が高まっていることから、ローブ氏は今後は、次席補佐官の肩書を保持しつつ、中間選挙対策に専念することになります。同氏の政権への影響力は変わらないとの見方も出ています。