2006年4月26日(水)「しんぶん赤旗」

医療現場 厳しい実態

改悪案で参考人

小児科若手“やめたい”


 衆院厚生労働委員会は二十五日、医療改悪法案についての参考人質疑を行いました。医師、患者団体代表、研究者らが意見陳述しました。

 「厳しい労働環境のなかで、小児科の若手勤務医の半分以上が『病院をやめたい』といっている」(鴨下重彦・賛育会病院長)、「分娩(ぶんべん)取り扱い施設が相次いで分娩をやめているため、予約が集中して、限界以上の仕事をこなしている。三十六時間連続勤務が通常になっている」(奥田美加・横浜市大付属市民総合医療センター母子医療センター医師)など、医療現場の厳しい実態を訴える発言が相次ぎました。

 山崎文昭・NPO法人日本がん患者団体協議会理事長は、「がんの死亡率が上がっている。国レベルでがん対策を行ってほしい」と要望。近藤克則・日本福祉大教授は「医療現場は、政府が医療費を抑えすぎた結果、ゆがみが顕在化している。個人の努力ではどうしようもない。日本は人口当たりの医師数は世界で六十三位で、先進国ではイギリスと並んで少ない」と指摘。改悪法案による医療費抑制、患者負担の増加は、医療現場を荒廃させ、“お金がない人は医療が受けられない”という「健康格差社会」を拡大すると批判しました。

 日本共産党の高橋千鶴子議員は「患者の自己負担の増加は、医療費削減につながらないのではないか」と質問。近藤氏は「高齢者で月六万円という年金の人の自己負担を増やすのがプラスになるのか、考えてほしい」とのべました。

 高橋氏は、がん対策に関連して、山崎氏に、国内未承認薬の使用など「混合診療」のあり方について質問。山崎氏は「混合診療は、あくまでも緊急避難的にやってほしいということ。本当に良い薬は早く出す(承認する)ようにし、悪いものは止める。国民のコンセンサスが大事だ」と答えました。


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