2006年4月28日(金)「しんぶん赤旗」

女性差別なくなるよう変えて

弁護士 坂本福子参考人が
均等法改正案にたいする意見陳述


 二十六日の参院厚生労働委員会でおこなわれた均等法「改正」法案に対する参考人質疑で、坂本福子弁護士の陳述(要旨)を紹介します。

 一九六〇年に弁護士となって以来、多くの女性差別裁判にかかわってきました。徹底した男女平等を守る均等法がつくられることを期待したのにがっかりしています。

 四点を求めたい。第一は、基本的理念に仕事と家庭の両立を明記することです。長時間労働のもとでは、女性は働き続けられません。

 第二に間接差別の問題です。法案は三つに省令で限定しました。直接であれ間接であれ、基本的人権を侵す差別は許されないのに、なぜ三つに限定したのか。例示列挙であれば、例示に当てはまらないものでも、次々と拡大できます。

 審議会の建議では、確立した判例でもって(省令拡大を)考えるといいますが、法律上、省令で限定された三つ以外の問題について、間接差別として訴訟ができるのでしょうか。

 私は岡谷鋼機、兼松という商社での男女差別を問う裁判を争いました。当時の均等法は、定年解雇以外の男女差別について「使用者の努力義務規定」であったため、憲法一四条(国民は法の下に平等)の趣旨に反するが公序には反しない、との判決が出されました。

 限定列挙は絶対に通してはなりません。

 三番目にポジティブアクション(積極的格差是正措置)を使用者に義務づけることです。

 四番目は、性による賃金差別の禁止を明記すること。性による差別が最も現れるのが賃金です。

 私は差別を受ける者がどんなに苦しいか身にしみて感じてきました。十年続く裁判もあります。本当にいい法律があったらと何度思ったことでしょう。一つでも二つでも女性差別がなくなるよう均等法を変えていただきたい。


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