2006年4月29日(土)「しんぶん赤旗」

保険証取り上げも

７５歳以上の医療新制度

（写真）質問する高橋議員＝28日、衆院厚労委

　七十五歳以上の高齢者の年金から保険料を「天引き」し、滞納すれば保険証までとりあげる――二十八日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員は、医療改悪法案の高齢者いじめの実態を示し、「月一万五千円の年金、寝たきりの人からまで保険証をとりあげるのか」と追及しました。

　これまで、七十五歳以上の高齢者など老人保健制度の対象者は、国民健康保険料を滞納しても「資格証明書」は発行されませんでした。

　国保料の滞納世帯に対して発行されている「資格証明書」は、〇五年六月時点で三十二万件以上。発行されると、医療機関の窓口でいったん医療費の全額を払わなければなりません。このため医療費が払えず受診を我慢して、手遅れになるケースも起きています。

　新たな「高齢者医療制度」（二〇〇八年実施予定）では、これまで被扶養者として保険料を払っていなかった人（約二百万人）も含め、七十五歳以上の全高齢者、六十五―七十四歳の寝たきりの人（約百万人）から保険料を「天引き」し、滞納すれば「資格証明書」を発行する、としています。

　厚労省の水田邦雄保険局長は、「新たな制度では保険料賦課（徴収）と医療給付を同一の主体にしたからだ」と答弁。高橋氏は「大変な方からも“担保”をとろうというのか」と批判しました。