2006年5月17日(水)「しんぶん赤旗」
企業職員への「日当」10万円
防衛庁長官 見直し答弁
緒方議員に
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防衛庁幹部の天下り先になっている軍需産業から受け入れた職員への「日当」として、同庁が一人あたり十万円を支払っていた問題について、額賀福志郎防衛庁長官は十六日、「金額が高いとの批判を踏まえ、予定価格の算定方法について見直す」と述べました。参院外交防衛委員会で、日本共産党の緒方靖夫議員に答弁したものです。
この問題は、緒方氏が三月三十日の同委員会で追及し、額賀長官は調査を約束していました。
緒方氏は、防衛施設庁の官製談合事件の教訓として何よりも求められるのは、腐敗の温床となっている天下りなどの官業の癒着システムに、徹底的にメスを入れることだと指摘。その一例として、施設庁の統合先=防衛庁でも、技術研究本部が、天下り先になっている企業や公益法人(防衛技術協会)に対し「労務借り上げ」の名目で、膨大な「日当」を随意契約で支払っている実態を追及していました。
今回の額賀長官の答弁は、緒方氏のこうした指摘を受けたもの。また額賀長官は、随意契約で「労務借り上げ」を行ってきたことについても「(今後は)一般競争入札を原則にする」ことを明らかにしました。
労務借り上げ 防衛庁の技術研究本部が、自衛隊の装備品の研究開発にあたり、軍需産業側から技術者・職員の派遣を受け入れ、派遣元企業に「日当」として、研究費の一部を事実上補助するシステム。一九五〇年代から始まりました。防衛庁との契約高十九社をみると、「労務借り上げ」として十七万人以上の職員を受け入れ、そのために支払った「日当」総額は百九十三億円(二〇〇〇―〇四年度)。その一方、これらの企業に天下りしている防衛庁幹部OBは、三百十一人に達しています。