2006年5月17日(水)「しんぶん赤旗」
原子力空母横須賀配備
安全確認「立ち入り調査なし」
赤嶺氏への政府答弁書
政府は十六日、米国が二〇〇八年に米海軍横須賀基地(神奈川県)への配備を計画している原子力空母ジョージ・ワシントンの安全性確認は、米国任せとする答弁書を決定しました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の質問主意書に答えたもの。
答弁書は、空母艦内への立ち入り調査の有無について、「米海軍の原子力軍艦としての性格上、一定の軍事機密上の制約を受けることはやむを得ない」として、政府としては行わないとの見解を示しました。
さらに、四月に米国が発表した説明資料「合衆国原子力軍艦の安全性に関するファクトシート」について、「原子力軍艦の構造等について、従来以上の詳細な情報が提供されている」と評価。同資料以上に、原子力空母の安全性を証明できる材料がないことを事実上、認めました。
神奈川県と横須賀市は、「この文書(ファクトシート)をもって地方公共団体が安全性を確認することは困難」だとして、外務省に質問書を提出しています。
ファクトシートは米海軍の原子力艦船は“五十年以上、安全に運航してきた”としています。これに対して答弁書は、一九九九年に原子力空母ジョン・C・ステニスについて、「海底の泥が同空母の冷却システムに吸い込まれたために、同空母の原子炉が緊急停止された」と回答しました。九四年の原子力空母エンタープライズの火災なども「承知している」と述べ、複数の事故が発生したことを認めました。
一方、ステニスの事故について「四十五分後には原子炉が再稼働され、その間、原子炉の冷却機能は失われていなかった」とし、問題はないとの考えを示しました。