2006年5月17日(水)「しんぶん赤旗」
「労働者階級の党であると同時に、日本国民の党」とは?
〈問い〉 日本共産党は、党の性格を「労働者階級の党」であると同時に「日本国民の党」であるといっていますが、その意味は? この国民には小泉首相や奥田経団連会長も入るのですか?(京都・一読者)
〈答え〉 日本共産党は、党の性格を「日本の労働者階級の党であると同時に、日本国民の党」(党の規約第2条)と表現しています。
規約はきわめて短文でいっていますが、この意味は、日本共産党が国民の幸せのために長年たたかってきた活動をふまえて明文化したものです。
まず、「労働者階級の党」というのは、労働者だけの利益をめざすということではありません。「労働者階級の歴史的使命」を自分の目標とする政党だという意味です。
科学的社会主義の思想家、マルクス、エンゲルスは、資本主義社会を分析して、あらゆる形態の搾取から人間を解放し、本当の意味での自由な人間社会を実現していく上で、その仕事の主力をなすのが労働者階級だということを見いだしました。これが「労働者階級の歴史的使命」という概念で、科学的社会主義の理論の核心の一つです。
「同時に、日本国民の党」というのは、マルクスの時代と違って、現代では、狭い意味の労働者の利害ではなく、国民全体、少なくとも国民大多数の幸せをますます一体に考えなければならなくなっているということです。労働者階級は2000年国勢調査で労働人口の79・6%を占め、労働者階級を抜きにして国民一般を語ることはできません。国民的な生活条件の全体としての改善を抜きに労働者階級の地位の向上もありえないのです。
社会変革の方法としても「国民が主人公」の立場で、国民多数の支持をえて目標を実現する「多数者革命」の立場を貫くという意味です。
「日本国民」に小泉首相も奥田経団連会長も入るのは当然です。私たちは大多数の国民の利益のためにたたかうのであって、それを推進しようという自覚を持った人たちとはともに手を携えるのはもちろんです。そのさい、これをふみにじる政党政派、個人とは対決していきますが、しかし、それも言論を通じてです。保守的な人々であっても局面によってはいっしょにすすむこともありうるという考えです。(喜)
〔2006・5・17(水)〕