2006年5月22日(月)「しんぶん赤旗」

離島切り捨て 国家と言えぬ

瀬戸内町長

奄美の郵便集配廃止


 日本郵政公社が、鹿児島県奄美群島内の九郵便局の集配業務を廃止しようとしていることにたいし、瀬戸内町の義永秀親町長はじめ、島民が反対の声をあげています。

 同公社九州支社の担当者が十八日、瀬戸内町役場を訪ね、廃止計画を説明。義永町長は「廃止は、離島を抱える自治体の首長として、到底容認できません。野山を越えて町の隅々まで走り回る一人の郵便局員は災害の発見、お年よりの安否確認と五人から十人の消防団員の役割を果たしています。百三十年間、営々と続けられてきた郵便の歴史です。政治の光は平等であるべきです。離島を切り捨てる国家は、国家ではありません」と語りました。

 「小泉首相にだまされた」と怒るのは篠川在住の六十代の女性。「私の集落には六十歳以下は二人しかいない。郵便配達員は家族同様。何かあったら相談に乗ってもらえる。小泉さんは、民営化になってもサービスは低下させないと言いましたが、裏切られた思いです」といいます。

 集配業務の廃止が明らかになったのは、奄美市名瀬の大島小湊と瀬戸内町の篠川、押角、西阿室、諸鈍、実久、池地、与路、喜界町の早町の九郵便局。廃止されると、窓口業務のみとなります。集配業務は地域外の局に集約され、配達時間の遅れなどのサービス低下が予想されます。


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