2006年5月24日(水)「しんぶん赤旗」
中央即応集団の司令部建設
政府は米軍いいなり
参院委で紙議員批判
自衛隊法の改悪案可決
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陸上自衛隊の中央即応集団を新たに編成することなどを盛り込んだ自衛隊法改悪案が二十三日、参院外交防衛委員会で自民、公明、民主の賛成多数で可決されました。反対した日本共産党の紙智子議員は質問と反対討論を行い、中央即応集団の司令部建設問題をめぐり米軍いいなりの日本政府の実態を追及しました。
中央即応集団は、陸上自衛隊の海外派兵・活動の計画、訓練、指揮を一元的に行う中核部隊であり、憲法の平和原則と相いれないものです。自衛隊法改悪案は、今年度中に部隊を立ち上げ、司令部を朝霞駐屯地(埼玉・東京)に置くとしています。
しかし、日米両政府が先に合意した米軍再編「最終報告」では、同司令部を二〇一二年度末までに米軍キャンプ座間(神奈川県)に移転すると明記しています。
紙議員は、キャンプ座間への移転が決まっている司令部庁舎を七億五千万円もかけて朝霞に建設することについて、「こういう予算の使い方が認められていいのか」と政府を追及しました。さらに移転先のキャンプ座間でも新たな施設建設の予算が必要になるとの指摘に、大古和雄防衛庁防衛局長は「庁舎をつくることになる」とのべ、米軍施設の移設費と跡地への庁舎建設費を日本が負担することを認めました。
紙議員は、「政府は米軍に言われるままに右往左往しているのではないか。米軍の世界戦略を補完するための再編に国民の税金を投入することは絶対に許されない」と批判しました。