2006年5月25日(木)「しんぶん赤旗」

測候所の全廃計画

安全への責任放棄

小林議員、撤回求める


 日本共産党の小林みえこ議員は二十四日の参院行政改革特別委員会で、国家公務員の定員削減により測候所が廃止においこまれる問題をとりあげ、「国民の命を守る責任の放棄だ」と批判し、測候所廃止計画の撤回を求めました。


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(写真)質問する小林議員=24日

 気象庁の職員は一九八七年の六千五百八十九人から、二〇〇六年度末までに九州一円の気象台や測候所の職員総数に匹敵する七百十二人が削減されてきました。

 同庁は今回の国家公務員定員の純減方針で二〇一〇年までに現在ある四十六カ所の測候所を原則廃止する計画です。

 小林氏は、職員削減で観測回数が減り、気象業務が困難になっている実態を示し、「国が定員の削減を先にきめ、測候所が削減されるのは国民の安全を守る点から逆行している」と追及。熊本県水俣市で十九人が亡くなった〇三年七月の九州地方の集中豪雨で、遠隔の自動観測ではなく手動で観測すれば予測できたのではないかという声があがっていることをあげ、「有人による観測体制をこれ以上弱めていいのか」と批判しました。

 北側一雄国土交通相は、「活動が活発な火山の監視業務や高層気象観測業務等の無人化が困難な業務については必要な要員を確保して地域の防災、気象情報の的確な提供の確保」をするとのべるにとどまりました。

 さらに小林氏は、九州と沖縄の中間に位置する名瀬測候所について、かつて気象庁自身が地方気象台に昇格する予算要求をしたことを示し、廃止すべきでないと要求。北側国交相は「全体の再編のなかで検討する」とのべました。


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