2006年6月3日(土)「しんぶん赤旗」
米軍 新たな虐殺疑惑
英BBC報道 乳児ら11人銃殺
イラク
【ロンドン=岡崎衆史】英BBC放送は一日、イラク中部での米兵による民間人虐殺の可能性を示すビデオテープを入手したと報道しました。事実とすれば、西部のハディサでの事件に続いて、米兵による新たなイラク民間人虐殺と隠ぺいになります。
事件は三月十五日、首都バグダッド北方約百キロのイスハキの民家で発生しました。
米軍の説明によると、国際テロ組織アルカイダの支援者が民家に潜むとの情報を受け、ヘリと戦闘車両で現場に駆けつけた後、激しい戦闘に突入。この影響で建物が崩壊し、中にいたテロ容疑者一人と女性二人、子ども一人が死亡しました。
しかし、地元警察や住民は、米軍が民家に突入し、建物内で五人の子どもと四人の女性など十一人の民間人を銃殺し、その後家屋を爆破したと証言していました。銃撃で死亡した中には七十五歳の女性と六カ月の乳児も含まれるといいます。
ビデオテープを分析したBBCの国際問題編集者のジョン・シンプソン氏は、「子どもたちや乳児の遺体を見れば、銃撃で死亡したことが分かる。米国がいうような家屋の倒壊で死亡したのではない」と述べ、米軍の説明を否定しています。
報道を受け、米軍当局は現在、事件について調査中だとしています。
BBCは、ビデオテープを米軍のイラク駐留に反対するイスラム教スンニ派勢力から入手したといいます。