2006年6月4日(日)「しんぶん赤旗」
自立支援法
入浴介助減らした
実態次つぎ 障害者ら集い
「検証・障害者自立支援法施行直後の実態、そして今なすべきことは」と題したフォーラムが三日、東京・港区内で開かれ、国会審議のなかで政府が繰り返した「サービスは低下させない」との答弁に反する実態が次々に報告されました。日本障害者協議会(JD、勝又和夫代表)が主催し、障害者や家族、施設職員ら約六百人が参加しました。
同法で四月から導入された応益負担では、ホームヘルパーや障害福祉施設などの利用時に原則一割の負担を求めています。
障害者の働く場である東京コロニー・コロニー印刷東村山工場でケースワーカーをしている井上忠幸さんは、「(施設から)地域生活に移行していった障害者が、法施行によって、ただでさえ少ない福祉サービスを減らすと相談してきた」と報告しました。
入浴のための介護サービスを減らす例もあるといいます。井上さんは「生活していく上で入浴回数を減らすということがどういうことなのか、考えていただきたい」と訴えました。
参加者からは、「(法施行後)愛知県で十六人が施設利用をやめていた」「(応益負担の)お金がいるということは、(少ない収入では)やめなさいと言われているようなもの。やめれば生活していけないが、それはそれでしょうがないというのか」などの発言が相次ぎました。
JDの藤井克徳常務理事は「軽減措置を全国各地で求めていくが、いくら軽減措置がつくられても応益負担を認めるわけにはいかない」と話しました。フォーラムでは応益負担を撤廃させるため行動する―としたアピールを採択しました。