2006年6月7日(水)「しんぶん赤旗」
毎年10万人が死亡
アスベスト「国際的禁止を」
フランスがILO総会で提唱
【パリ=浅田信幸】フランスは五日、ジュネーブで開会中の国際労働機関(ILO)年次総会でアスベストの国際的な禁止を提唱しました。
ラルシェル仏雇用担当相が総会に提出した禁止案は、「国際的にアスベストの使用を速やかに一掃するためにILOで論議を深めること」を要求、「アスベストの禁止」と、残存するアスベストにさらされる「労働者の保護」の必要性を強調しました。
現在、アスベストの使用を禁止している国は欧州連合(EU)二十五カ国をはじめ約四十カ国にすぎません。EUでは二〇〇五年一月から禁じられています。
今年四月末には国際自由労連(ICFTU)がアスベストの全面禁止を訴えました。同労連によると、全世界で毎年十万人がアスベスト被害で亡くなっています。
フランスでは一九六五年から三十年間に三万五千人が亡くなったといわれ、被害者や遺族の補償を求める裁判も行われています。専門家によると過去のアスベスト吸引により、今後二十―二十五年の間に六万人から十万人が死亡する恐れがあると推定されています。