2006年6月11日(日)「しんぶん赤旗」
米大統領
イラク撤退明言せず
デンマーク首相 民間人殺害に懸念
【ワシントン=山崎伸治】ブッシュ米大統領は九日、メリーランド州の大統領山荘キャンプデービッドでデンマークのラスムセン首相と会談しました。
終了後の記者会見でブッシュ氏は、国際テロ組織アルカイダ指導者のザルカウィ容疑者殺害について、イラクの治安回復に役立つとする一方、「米国民には、一人物の死で戦争に勝ったと思ってほしくない」と慎重な姿勢も示しました。
ブッシュ氏は、「ザルカウィがいなくなったことは、アルカイダにとって大きな打撃だ。それが戦争を終わらせ、暴力を終わらせはしないが、大いに役立つ」と強調しました。米軍の撤退については、「できるだけ速やかに撤退させたいが、イラクが自立、自治、自衛をできるようになるかどうかにかかっている」と期限には触れませんでした。
ラスムセン首相は会見で、イラク駐留米軍による民間人虐殺事件にふれ、「犠牲者にとって悲劇であるだけでなく、われわれ自身の努力や価値も損ねる」と強い懸念を示しました。