2006年6月12日(月)「しんぶん赤旗」
イラク英軍撤退要求
イラン攻撃阻止など確認
【ロンドン=岡崎衆史】英反戦団体「戦争ストップ連合」は十日、ロンドン市内で年次総会を開き、イラクからの英軍の即時撤退を求めるとともに、イランへの新たな戦争の動きを阻止し、英国内での市民的自由の抑圧に反対する運動を強化する方針を決定しました。
反戦団体が総会
同連合は二〇〇一年九月、対米同時テロ後の戦争の危機の高まりを受け、戦争の阻止と平和の実現を目的に結成され、年次総会は今回で五回目。イラク戦争開始直前の〇三年二月にはロンドンで二百万人のデモを実現し、その後も大小さまざまな運動を継続的に組織するなど、反戦運動体として力をつけるなかでの総会となりました。
会議であいさつしたアンドルー・マレー議長は、イラク西部ハディサで米海兵隊員が多数のイラク人を殺害した事件について、「米軍によるイラク民間人虐殺の非常に醜い氷山の一角だ」と非難。米軍だけでなく、英軍もイラク南部で住民抑圧を行っていると指摘し、イラクからの外国軍の即時撤退を求めました。
核軍縮運動(CND)のケート・ハドソン議長は核開発問題を理由にしたイラン攻撃について、「イランだけでなく中東全域を破滅に導く」と警告。「真に危険なのは、核兵器をもたない国に対し、これまで唯一核兵器を使用した米国だ」とし、イラン攻撃の可能性を排除しない米国を批判しました。
会議は二十の決議を採択。イラクからの英軍の即時撤退、米英によるイラン攻撃反対、テロ対策の名の下での市民的自由の侵害やイスラム教徒迫害の停止、英国政府による核軍縮の実施と核先制使用政策の放棄などを掲げて運動を進めることを決めました。