2006年6月14日(水)「しんぶん赤旗」
医療改悪法案を強行
自公、参院委で可決
小池議員反対討論 制度の根幹揺るがす
高齢者・国民に負担増を強い、公的保険のきかない診療を拡大して医療保険制度の根幹を揺るがす医療改悪法案を、自民、公明の与党は十三日の参院厚生労働委員会で採決を強行し、両党の賛成多数で可決しました。日本共産党、民主党、社民党は反対しました。
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同法案は小泉内閣が重要法案の一つと位置づけていたもの。▽七十歳以上の高齢者の負担を一割から二割に引き上げる▽混合診療の本格的導入により保険のきかない医療を拡大する▽療養病床の六割削減などを盛り込んでいます。
十二日、北海道千歳市で行われた地方公聴会では与党推薦の公述人からも「療養病床の削減は地域の医療を崩壊させる」と異論が噴出したばかり。野党は「問題点はたくさんある」として徹底審議を要求。日本共産党の小池晃議員は理事会で「会期内で審議が尽くせないのだから、当然廃案にすべき」だと採決に反対しました。
採決が予想されるなか、委員会室の傍聴席は朝からぎっしり。自民、公明は賛成多数で質疑を打ち切ったうえで、採決を強行しました。
採決に先立つ反対討論で小池議員は、与党理事からも「法案には欠点がある」との声が出る中で、「多数で押し切るやり方は、議会制民主主義の自殺行為であり、国会の責任放棄以外の何ものでもない」と怒りを込めて批判。「日本の医療を世界一の水準に作りあげてきたのは、患者、医療従事者、国民だ。その努力をぶち壊そうとしているのが改悪法案であり、このままでは子や孫にボロボロになった医療保険制度を引き継ぐことになってしまう」と主張しました。そして「すべての国民は貧富にかかわりなく医療を受ける権利を持っている。この立場から日本の医療を立て直すことこそ、今強く求められている」と訴えました。