2006年6月14日(水)「しんぶん赤旗」
空自の活動
イラク全空港に拡大
緒方議員質問 防衛庁長官認める
額賀福志郎防衛庁長官は十三日、参院外交防衛委員会で、イラクでの航空自衛隊の活動範囲について、イラク国内のすべての空港を対象にしている事実を認めるとともに、米軍の要請にもとづいてどういう支援活動ができるかを調査していることを明らかにしました。日本共産党の緒方靖夫議員の質問に答えたもの。
額賀長官は緒方議員の質問に対し、昨年十二月の時点で自衛隊の活動「実施要項」にもとづく実施区域を従来の十三空港から二十四空港すべてに拡大変更したと答弁。その上で現在、空自が輸送活動で使用しているイラク南部のタリル空港以外のバグダッド北西のアサド空港などに人員を派遣して調査したことを認めました。
しかし、額賀長官は「米軍のニーズに対してどういうことができるかを検討するための調査をしているが、具体的な調査内容については差し控えたい」との答弁に終始しました。
米軍の要請については四月にシンガポールで、額賀長官とラムズフェルド米国防長官が詰めの協議をしています。緒方議員は「額賀長官の答弁ではシンガポールでの協議以前から輸送協力拡大の準備をしていたことになる。『実施区域』についても詳細は非公表としているが、国会から見えない形で米側の要求に応じて活動が拡大されていけば歯止めが利かなくなる」と批判しました。