2006年6月16日(金)「しんぶん赤旗」
首相の靖国参拝に疑問
南ドイツ新聞
【ベルリン=中村美弥子】南ドイツ新聞十日付は、「カミカゼ崇拝」と題する記事を掲載し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝が日中関係悪化の原因だと指摘、首相の靖国参拝に疑問を投げかけました。
ヘンリク・ボーク北京特派員の記事は、靖国神社境内にある遊就館の展示内容を詳しく紹介。「遊就館の展示は、日本による近隣諸国への侵略をささいなことだったように扱っている」と指摘しました。その上で、「ここは日本の極右勢力の歴史観を表現している場所だ」との見方を示しています。
記事は、「日中関係が(国交回復した)一九七二年以来最悪の状態になっているのは小泉首相の靖国神社参拝が原因だ」という中国社会科学院の高洪教授の発言を引き、中国がどう受け止めているかについて、こう述べています。
「中国は、靖国参拝を中心に日本の歴史修正論をみるようになった。『公式参拝』で靖国神社の評価を引き上げようとする行為は、日本の保守陣営が歴史を書き換えようとしていると中国では判断される」
最後に、東京大学の高橋哲哉教授や加藤周一氏ら日本の識者の発言を引用し、首相の靖国神社参拝が与える影響を分析。「戦争犯罪について日本がいくら謝罪しても、靖国参拝ですべて台無しになる」と結論付けています。