2006年6月17日(土)「しんぶん赤旗」
消費税
「社会保障目的」を表明
財務相、引き上げも示唆
谷垣禎一財務相は十六日の閣議後記者会見で、「消費税を社会保障のための安定的な財源と位置付け、国民への給付に充てることによって国民の理解と納得を得ることが望ましい」と述べ、消費税率を引き上げる際に社会福祉目的税とするのが望ましいとの考えを初めて表明しました。「歳出改革を徹底した上で、なお必要な負担増を国民にお願いするとき」の対応として述べました。
与謝野馨経済財政担当相と柳沢伯夫自民党税制調査会会長も既にこうした考えを示しており、政府・与党が検討している「歳出・歳入一体改革」に福祉目的税化が税率アップの際の選択肢として盛り込まれる見通しとなりました。
福祉目的税化することで、消費税増税を国民におしつけようという作戦です。財務相は会見で「財源なくして給付なしということを明確に示す」と強調しており、社会保障の給付に応じて消費税率を引き上げることを示唆しました。
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が十四日の意見書で目的税化を容認する方向へ事実上転換。財務相も「政治家としての立場から」容認を表明しました。
政府は一九九九年度から、消費税収を充てる経費の範囲を基礎年金負担金などと予算総則に明記する「福祉目的化」を実施。目的税化はこれをさらに進め、制度的に使途を特定します。消費税を目的税にしている例は海外にはありません。