2006年6月18日(日)「しんぶん赤旗」
反戦の声あげよう
イラク従軍拒否米兵 支援集会
米加国境の都市
【バファロー(米ニューヨーク州)=山崎伸治】「平和に国境はない」をスローガンに、カナダにいるイラク従軍拒否米兵を支援する集会が十六日夜、米加国境の都市バファローの音楽ホールで開かれました。約六百人の人たちが従軍拒否米兵の家族やイラク帰還兵らの訴えに大きな拍手を送りました。
集会は、イラク行きを拒否してカナダに移り住んでいる米兵を支援し、同国政府に保護を求めているカナダの「戦争拒否者支援運動」(WRSC)の活動を助けようと開かれました。同組織のほか、反戦イラク退役軍人会、退役軍人平和会、戦死者平和遺族会、ニューヨーク西部平和センターが呼びかけました。
イラク従軍を拒否している米兵は七千九百人から八千人います。そのうち数百人がカナダにいるとみられており、WRSCには約二十人が結集しています。
そのうちの一人、パトリック・ハートさんは二〇〇三年四月から一年間、陸軍空挺部隊の一員としてイラクに派遣され、二度目の派遣前の〇五年九月、家族とともにカナダに移りました。集会には米国にいる父親のジムさんと母親のポーラさんがかけつけ、「息子は重大な決意をしました。私はそれを支持したい」(ジムさん)と訴えました。
退役軍人平和会のデービッド・クライン会長はベトナム戦争時の経験を語り、「ニクソン大統領は戦争に反対しているのは少数だと言いました。多数が沈黙をしていては戦争は終わりません」と述べ、反戦の声をあげようと訴えました。
イラク開戦に抗議して米国務省を退職したアン・ライトさんは、「私は辞職することができましたが、兵士にはそれができません。でも『違法な命令』に従う必要はなく、イラク戦争は違法な戦争だから行かなくてもよいのです」と述べました。
反戦活動家のシンディ・シーハンさんは、「従軍を拒否する兵士は臆病(おくびょう)ではなく、より高い道徳観をもっているのです。誤った戦争で、罪のない人たちを殺したくないのです」と強調しました。
十七日には、ナイアガラ川を挟んで向かい側、カナダのフォート・エリーで集会を開きます。