2006年6月19日(月)「しんぶん赤旗」
景気回復の実感も実態もない
市田書記局長が小泉「改革」批判
NHK日曜討論
日本共産党の市田忠義書記局長は十八日、NHK「日曜討論」で、九月に退任する小泉首相の「改革」を批判し、「働いている労働者や中小業者をないがしろにして、一握りの企業がもうけるというだけの社会では長続きしないし、だめだ」とのべ、政策の根本的転換を求めました。
番組で、自民党の武部勤幹事長は「数字はうそをつかない」などとのべ、「景気は上向き」と自画自賛。公明党の冬柴鉄三幹事長も「戦後二番目の景気拡大局面」と同調しました。
市田氏は、「数字はうそをつかないというのはその通り」として、小泉「改革」の五年間で庶民への負担増と増税が十三兆円にのぼり、逆に法人税は十二兆円もまけてもらっていることを示しました。
さらに、サラリーマンの年収が九七年をピークに九十万円も減り、生活保護世帯が百万世帯にも増え、若者や女性では二人に一人が年収二百万以下の非正社員であることも指摘。一方で一部上場企業が一兆円以上のもうけをあげているとし、「一握りの大企業だけがもうかっているだけの話で、国民にとって景気回復したという実感も実態もない」と強調しました。
これには与党側も「なにも問題がないといっているわけじゃない」(武部氏)「国民の隅々まで景気をよくしたとはいっていない」(冬柴氏)といわざるを得なくなりました。
市田氏は、「企業収益があがるような構造改革が必要」(武部氏)という議論にたいしても、「問題は(企業の)ぼろもうけのぼろを社会的に還元すること」と指摘。庶民には社会保障の破壊や増税の一方で、企業には労働法制の規制緩和などで勝手放題ができるようにしたうえ、減税措置もそのままだとのべ、「景気回復したというなら、どうして大企業にも元のように税金をかけないのか」と主張しました。
また、教育基本法改悪法案や改憲手続き法案など継続審議となった悪法について、「次の国会で廃案に追い込むためにたたかいを強めたい」と決意を表明しました。