2006年6月28日(水)「しんぶん赤旗」
イラク人死者5万人超
米紙が集計 大半が民間人
【ワシントン=山崎伸治】二〇〇三年三月に米軍がイラクに侵攻して以来、死亡したイラク人の数が少なくとも五万人で、米政府が認めた三万人を大きく上回っているとの集計を、二十五日付の米紙ロサンゼルス・タイムズが公表しました。
集計は、バグダッドの遺体安置所が発行した死亡証明書と、イラク厚生省が集計した病院で発行された死亡証明書の数を合わせたもの。安置所には戦争開始から〇六年半ばまでに、三万二百四体が運ばれました。厚生省は〇四年四月五日から〇六年六月一日までに「軍事衝突」と「テロ攻撃」で一万八千九百三十三人が死亡したとしており、合計で四万九千百三十七人となります。
二つの数に重複はありませんが、安置所の死者数はほとんどが民間人であるのに対し、厚生省の数は民間人と兵士を区別していないといいます。
同紙によると、イラク西部のアンバル県などでの集計数は実際よりも数字は小さいとみられる上、米軍侵攻後一年間の統計データが不十分なため、「総計は五万を軽く超える」といいます。
米政府はイラク人死者数を集計していますが、公には明らかにしていません。ブッシュ大統領は昨年十二月にフィラデルフィアで行った演説で「三万人前後」と述べていました。
軍事介入によるイラク民間人の死者数を集計する民間団体「イラク・ボディー・カウント」は二十六日までに、最低で三万八千四百七十五人、最高で四万二千八百八十九人と発表しています。