2006年6月28日(水)「しんぶん赤旗」

ハンセン病

旧植民地施設の補償早く

日本共産党が全療協と懇談


 日本共産党のハンセン病問題プロジェクトチーム(会長・吉川春子参院議員)は二十七日、東京・永田町の国会内で、厚労省担当部局からのヒアリングと、全国ハンセン病療養所入所者協議会と懇談して、対策会議を開きました。

 この中で、同省疾病対策課は、六月二十二日現在で、韓国「ソロクト更生園」元入所者四百三十七人から申請のあったうち六十四人、台湾「楽生院」元入所者四十一人から申請があったうち二十八人に、それぞれ一人当たり八百万円の補償金が認められたことを明らかにしました。

 ハンセン病補償法の改正で、二月から旧植民地の国立ハンセン病療養所元入所者にも、国内入所者と同水準の補償金が支給されることになりました。しかし、韓国の場合、「入所者の確認資料が不十分」(厚労省)として救済作業が遅れています。

 吉川、仁比聡平両参院議員らは、報告を聞いて早期の支給を求めました。同省疾病対策課は「今後迅速に支給していきたい」と述べました。

 全国ハンセン病療養所入所者協議会との懇談には、神美知宏事務局長と藤崎陸安(みちやす)中央執行委員が出席。神事務局長は、ハンセン病療養所の将来構想など恒久対策、国立ハンセン病療養所に胎児と新生児百十四体が標本に残されていた「胎児標本問題」など元患者が抱えている深刻な問題について説明しました。

 神事務局長は、「(療養所在園者の)平均年齢が七十八歳になっている中で早期の恒久対策の策定が必要です。国立ハンセン病療養所を統廃合することなく、国立の医療機関として存続させること」を要請しました。また、「胎児標本問題」について、遺族の複雑な気持ちを十分に配慮し、時間がかかっても慎重に対処することを要請。「殺人に等しいもので、なぜこうした人間の尊厳を傷つけることが行われたのかを解明し、遺族の(感情の上でも)納得がいくように解決してほしい」と訴えました。

 プロジェクトチームには、赤嶺政賢、笠井亮、高橋千鶴子の各衆院議員、吉川、仁比、紙智子の各参院議員が出席しました。


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