2006年7月1日(土)「しんぶん赤旗」
ぼく負け組? 働きたいのに…
自立支援法3カ月
障害者・家族ら不安次々
井上議員ら長野で懇談
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「ぼくは負け組にされちゃったのかな」。車いすの障害者が振り絞るようにして語る言葉が参加者の胸をえぐります。障害者「自立支援」法が施行されて三カ月、長野市では三十日、井上さとし参院議員と中野さなえ参院長野選挙区候補が、障害者・家族・施設職員らと懇談。長野県下、十七の障害者・患者団体から三十四人が参加し、全員が怒りや不満、悩みや不安を語りました。
井上議員が「応益負担の撤回と当面の改善を求めるために話を聞かせてください」と呼びかけると、発言がつぎつぎ。
「頭では法律のひどさを理解していたが、現実になって頭の中が真っ白に」(障害者の母親)、「公費医療制度の対象者が、自立支援医療になって外された」(難病患者団体役員)、「働きたくても働けないのに、負担ばかりがなぜ増えるのか」(精神障害者)、「自立をめざして努力する者を、政治がリストラした」(視覚障害者)。
知的障害者の娘をもつ母親は、関係者と協力して授産施設をつくりました。娘の労賃は月三千二百円。対する施設とホームヘルプサービス利用料などは約二万六千円。「矛盾を感じる」と複雑な心境を語りました。
施設事業者は運営する三つの施設が10%から19%も減収と報告。負担の増えた利用者に説明したら「そんなばかな」としかられたといいます。事業者と障害者・家族とが対立する事態を報告する発言もあいつぎました。
井上議員は「政府はきめ細かな減免制度をとったと答弁したが、実態にあわないのは明らか。政府への運動とともに、自治体への減免実施や拡充を要求しましょう」と訴えました。