2006年7月8日(土)「しんぶん赤旗」

小泉内閣

今後10年 国民負担増

骨太方針決定 消費税増税に道


 小泉内閣は七日、経済財政諮問会議と臨時閣議を相次いで開き、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)2006」を決定しました。二〇一一年度に国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目指し、社会保障関係費の削減など最大十四兆三千億円の歳出削減策と消費税増税に道を開く社会保障目的税化の検討を盛り込みました。

 自民、公明両党が与党の小泉政権として最後となる「骨太の方針」は、今後十年あまりにわたって国民にいっそう大きな負担増を押し付けるものです。

 一一年度までの財政不足額は、名目3%成長を前提に十六兆五千億円と試算。その不足額を解消するために、社会保障で一兆六千億円、公共投資で三兆九千億円から五兆六千億円、公務員人件費削減で二兆六千億円をそれぞれ抑制するとしました。その他の分野も含めて、歳出削減で十一兆四千億円から十四兆三千億円を削減するとしています。

 残る不足額の二兆二千億円から五兆一千億円については「税制改革で対応する」とし、消費税増税を含む増税で賄う考え方を明示しました。

 小泉首相は「歳出削減を徹底していくと、もう増税の方がいいという議論になってくる」と述べています。同方針は、この考え方に沿って、雇用保険や生活保護、介護保険の給付の見直しなど、社会保障削減に言及しました。

市田氏が談話

 日本共産党の市田忠義書記局長は同日、談話を発表し、「国民を『兵糧攻め』にしたあげく、消費税増税を押しつけようというものである」と批判しました。


 骨太の方針 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」の通称。小泉内閣発足後の二〇〇一年六月の一回目以降、毎年出され、今回で六回目。トップダウンで方針を決めるため、小泉首相が議長を務め、財界代表も入った経済財政諮問会議でまず議論・決定した後、閣議決定します。中長期目標にそって、次年度予算で重点化する政策目標を示し、予算編成に反映させます。小泉首相は九月の首相退任を表明しているにもかかわらず、今回の「骨太の方針」は「新たな挑戦の十年」として、五年後、十年後の目標を定め、小泉「改革」の継続・断行を迫ろうとしています。

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