2006年7月9日(日)「しんぶん赤旗」
金に悩まず学びたい
学生の願い集めパレード
東京で全国交流会
「お金の心配なく学びたい」。全日本学生自治会総連合(全学連)は八日、世界で際立つ日本の高学費の是正を求める全国学生学費交流集会を東京都内で開きました。各地で切実な声を集めた学生約百四十人が、渋谷や原宿の街をパレードし、「大学の門を閉ざすな」と書いたプラカードなどを掲げ、「大学は国民みんなのものだ」と唱和しました。
集会では、高学費の解決を求める各地の取り組みを交流しました。
東京学芸大学では今春、新入生千三百人に学費値上げ中止を求める署名を訴えたところ、家族も含め約五百人分、アンケートには千人が回答を寄せました。学費の工面でアルバイトに追われる学生が多く、集計した学生(21)は「より深刻で切実さを増している。早く値下げにつなげたい」。
東北工業大学に今春進学した学生(18)は、学生自治会がないため、一人で四月から学費署名に取り組みました。運動は広がり、署名は今月六日までに学生数の四分の一にあたる約七百人分になりました。「高校も私学でしたが、日本の授業料は高い。学費に苦しむ学生をなくしたい」と話しました。
群馬大学医学部三年の学生(23)は仕送りに頼れず、支えは授業料免除と二つの奨学金です。「人格形成の場所のはずが生活に余裕がない。これでは人間的に豊かな医療者として社会に出られず、安心の医療を求める国民への責任も果たせない」と語りました。
新日本婦人の会の玉田恵事務局長、日本高等学校教職員組合の工藤毅副委員長が連帯あいさつ。午前の学習会では、千葉大学の三輪定宣名誉教授が講演しました。