2006年7月15日(土)「しんぶん赤旗」
石綿問題 厚労・環境省と交渉
新法の矛盾改善求める
いのちと健康全国センター
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働くもののいのちと健康を守る全国センター(福地保馬理事長)は14日、環境省と厚労省の各大臣にたいして「アスベストによる健康被害への十分な補償と予防対策強化」を求める要請を提出し、担当課と交渉しました。
同センターは、厚労省にたいして(1)労災認定基準の改善(2)申請時効の弾力的運用(3)職歴調査(4)健康管理手帳(5)予防対策の強化―の五つの柱で二十三項目の改善を要請しました。環境省には(1)石綿健康被害救済法の認定基準、申請期間の問題(2)健康管理制度(3)予防対策―の三つの柱、十八項目の改善と対策の強化などを求めました。
すべての被害者を救済するよう認定基準の改善と被害を未然に防ぐための予防対策が遅れていることから交渉したもの。全国労働組合総連合(全労連)、全商連、全日本民主医療機関連合会(民医連)、千葉土建、働くもののいのちと健康を守る東京、埼玉、千葉の各センターなどから約二十人が参加しました。
交渉では、労災補償の認定基準が厳格な病理組織診断を求めていることから申請が困難で、画像診断、胸水細胞診検査でも認定するよう強く要請しました。また、自営業者などに「健康管理手帳」制度の創設、アスベスト製品の製造・販売・新たな使用の全面禁止など健康被害予防対策の強化を求めています。
参加者からは、「建築の現場で働く自営業の親方や一番困っている人のために救済する法律になっていないことがはっきりした。被害を出さないための予防については全く無策。公費で健康診断を実施することなど早急に踏み出すべきだ。国は新法に矛盾があることすら認識していないので、粘り強く交渉を繰り返す必要がある」と話していました。