2006年7月24日(月)「しんぶん赤旗」

介護サービス減だめ

老問研集会 ヘルパーら実態報告


 「大問題の見直し新介護保険 格差・差別のない高齢者福祉を」―と第二十八回老人福祉問題全国研究集会が二十二日から、さいたま市で開かれ各地から約百五十人が参加。二十三日は介護保険や医療など七つの分科会で活発に討論しました。

 訪問介護事業者やホームヘルパーが参加した「『新介護保険』のヘルパーで在宅生活をどうささえるか」の分科会では、京都女子大学の石田一紀教授が基調報告。

 石田氏は、改悪介護保険法が四月から実施され訪問介護の利用量が減っている背景には、事業者への介護報酬の切り下げとともに、自治体が給付抑制の不当な行政指導を強めるなか事業者の「自主規制」も出ていると指摘。「不当な行政指導にはその根拠をただし、個別事例における介護サービスの必要性を明らかにするアセスメントの作業を通じて給付を守る必要がある。そのために集団で行政交渉もおこなうべきだ」とのべました。

 参加者からは「新予防給付該当と認定された八十六歳の女性が『これまでのような家事援助の訪問介護はできない。家事は夫(九十三歳)に頼めないか』と地域包括支援センターから指導を受けたが、サービスを継続させるよう交渉している」(訪問介護事業所)などの事例が報告されました。

 二十二日の全体会では、日本被団協原爆被害者中央相談所理事長の肥田舜太郎氏が記念講演。「安心して住み続けられるまちづくり」など、各地から高齢者の暮らしを守るリレートークが行われました。


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