2006年7月28日(金)「しんぶん赤旗」
「つくる会」教科書(公民)採択
白鴎高付属中 市民団体が撤回要求
都教委
東京都教育委員会は二十七日の定例会で、来春から中高一貫校の都立白鴎高校付属中学校で使用する公民教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆する扶桑社版教科書を採択しました。
子どもと教科書全国ネット21は同日、「『つくる会』公民教科書は、大日本帝国憲法を賞賛し、日本国憲法の内容をゆがめ、憲法・教育基本法の改悪を先取りした内容だ」として同教科書の採択に抗議し、採択の撤回と手続きのやり直しを求めました。
選定に際し、「つくる会」教科書を採択しないよう求める請願が七十六団体から出ていることが紹介された後、欠席した米長邦雄委員を除く五人の教育委員が無記名で投票。全員が扶桑社版教科書に投票しました。前日までに発表されていた定例会の議題では、白鴎中学で使用する公民教科書等の採択については「協議事項」となっていましたが、採択理由などが協議されることは一切なく、扶桑社版教科書の採択が決定しました。
都教委は昨年も、多くの父母、市民、教職員の反対の声を無視して、「つくる会」の歴史教科書を白鴎中学を含む四つの中高一貫校で採択し、同会公民教科書を一部の都立養護学校で採択しました。その際も協議はなく、教育委員の無記名投票で決めました。
「つくる会」の公民教科書の昨年の全国採択率は0・19%です。