2006年7月29日(土)「しんぶん赤旗」
どんな会社が兵器をつくっているの?
〈問い〉 日本国内ではどんな会社が兵器をつくっているのですか?(岡山・一読者)
〈答え〉 防衛庁発表によると、05年度中央調達の契約高上位10社と調達金額と主要装備品は次のようになります。
(1)三菱重工業(2417億円)=戦闘機、地対空誘導弾、哨戒ヘリ、多用途ヘリ、戦車、魚雷、空対艦誘導弾、地対艦誘導弾
(2)川崎重工業(1297億円)=哨戒機、輸送機、対戦車誘導弾、輸送ヘリ、多目的誘導弾システム
(3)三菱電機(1142億円)=中距離地対空誘導弾、誘導弾、電子戦システム
(4)日本電気(1078億円)=自動警戒管制システム、車両無線機、個人用暗視装置
(5)東芝(495億円)=短距離地対空誘導弾、基幹連隊指揮統制システム
(6)ユニバーサル造船(397億円)=砕氷艦、掃海艇、多用途支援艦
(7)川崎造船(353億円)=潜水艦、次世代潜水艦システムの研究試作
(8)石川島播磨重工業(348億円)=次期固定翼機・次期輸送機、ターボファンエンジン
(9)小松製作所(338億円)=りゅう弾、対戦車りゅう弾、軽装甲機動車
(10)富士通(313億円)=防衛情報通信基盤通信電子機器
1970年に「装備の自主的な開発及び国産を推進する」(「装備の生産及び開発に関する基本方針」)ことを決定して以降、自衛隊の装備品の多くはこうした国内企業によって生産されてきました。
戦後の日本の出発点は、二度と戦争をせず、武器をもたないことを誓った憲法9条です。新憲法の下で、軍需産業は、当然解体されるべきはずのものでした。ところが、アメリカが日本の再軍備へと占領方針を転換し、朝鮮戦争が起きる中、日本の軍需産業は息を吹き返し、度重なる政府の軍拡計画の下で大きく“成長”してきたのです。
90年代に入りソ連が崩壊し、軍拡の口実が根底から揺らぐ事態になりました。国の財政状況は悪化し、国内では装備品調達の大幅な増大は見込めなくなりました。そこで、いま軍需産業界がねらっているのが武器輸出の“解禁”です。
日本経団連は、旧経団連時代を含め、3回(95年、00年、04年)にわたり、武器輸出3原則の見直しを求める意見書を提出してきました。
これに呼応して政府は、現防衛大綱・中期防決定の際の官房長官談話(04年12月)で、ミサイル防衛(MD)関連装備の日米共同生産・共同開発について、武器輸出3原則の対象外とし、それ以外についても「個別の案件毎に検討の上、結論を得る」ことを決定しました。MDを突破口にして、世界に武器を輸出する「死の商人」へと脱皮しようとしているのです。(竹)
〔2006・7・29(土)〕