2006年8月4日(金)「しんぶん赤旗」
都知事の靖国参拝中止を
平和遺族会など51団体が要請
石原慎太郎東京都知事が十五日に靖国神社に七年連続で参拝すると公言している問題で、平和遺族会全国連絡会(西川重則代表)や日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会(須賀誠二委員長)など五十一団体は三日、「侵略と軍国主義の精神的支柱である靖国神社への参拝は、憲法の政教分離原則に反し、アジアの人々の心を深く傷つける」として、参拝の中止を知事に要請しました。
要請は両団体など四団体が呼びかけ、各地の遺族会や市民団体など四十七団体が賛同したもの。「戦没者遺族は戦争で肉親と希望を奪われた。すべての遺族が靖国への合祀(ごうし)を望んでいるわけではない」「都認証の宗教法人である靖国神社に、都知事が毎年参拝するのは靖国神社に『特権』を与えることになり、憲法に反する」「参拝は旧植民地の韓国・朝鮮、台湾の出身者、中国など日本に侵略されたアジアの被害者と家族の心を傷つけ、和解と共生に逆行する」として、知事の姿勢を批判しました。
そのうえで、「知事として求められるのは、“負”の遺産の早期解決に力を尽くし、アジアの人々との和解と共生に道を開くことだ」として、参拝中止を求めました。
応対した都知事本局の鈴木勝秘書事務担当課長は「要請は知事に伝える」と答えました。