2006年8月12日(土)「しんぶん赤旗」
高齢者大負担増 渦巻く怒り
自民大あわて言い訳パンフ
秘書「納得してもらえない」
自民党が、衆参国会議員などに『長寿世代の税負担増への御不満を聞いて』というパンフレットを緊急配布していたことが、十一日までにわかりました。年金生活者をはじめ高齢者への住民税大幅増税に批判、怒りが渦巻いているため、国会閉会中に地元を回る議員から「なんと答えたらいいのか」という悲鳴があがり、党本部の政務調査会が急きょ作成したものです。
パンフはA4判四ページ。冒頭、「平成16年度税制改正で…老年者控除、公的年金等控除を縮減した結果、高年金所得者について税額が10倍(4千円→4万円)になっている事実はある」と大幅負担増の事実については認めています。
しかし、そのあとは「年金世代が勤労世代に比べ税負担が高くなっているわけではない」「高齢者世代は(公共サービスの)給付額が負担額をはるかに超えている」と、負担増押し付けの言い訳を並べています。
そのうえ「これを悪宣伝に利用して党勢拡大を図っている政党がいる」などと記述。名指しはしないものの、負担増問題で年金生活者らから相談や訴えの“駆け込み寺”になっている日本共産党の活動に的外れな非難を向けています。
住民税増税は小泉内閣と自民党、公明党が強行したもの。この六月から住民税で老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小などに加え定率減税の半減が実施され、「雪だるま式」の負担増が高齢者を直撃しています。
世論の批判にたいし開き直りと言い訳で切り抜けようという意図がありありのパンフを受け取った自民党役員の事務所政策秘書は「このパンフレットの内容では税負担で苦しい思いの年金生活者にとても納得してもらえる説明はできませんよ」と話しています。