2006年8月16日(水)「しんぶん赤旗」
無責任のきわみ示す
小泉首相の靖国参拝
志位委員長が談話
日本共産党の志位和夫委員長は十五日、国会内で記者会見し、小泉首相の靖国神社参拝について次の談話を発表しました。
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一、小泉首相は、自分の行為が日本外交の深刻なゆきづまりをもたらしていることへの一片の反省もなく、首相退任の間際、終戦記念日に靖国参拝を強行した。この行為は、「あとは野となれ山となれ」という小泉外交の無責任さを、さらけだしたものであり、わが党はきびしく抗議する。
一、靖国神社が、戦没者の純粋な追悼の場所ではなく、過去の侵略戦争を肯定・美化することを自らの使命としている組織であることは、現在では、内外で広く指摘されている事実である。国政の最高責任者の靖国参拝は、この神社の政治的立場を日本政府として公的に認知することであり、それは、日独伊の侵略戦争の反省の上にきずかれた今日の国際秩序に正面から背をむける重大な政治的行為にほかならない。だからこそ、いま靖国問題が、日中間、日韓間の問題にとどまらず、日本外交への懸念を広く世界的に引き起こしているのであり、日本の前途を真剣に考えるものは、このことを直視する必要がある。
一、首相は、この愚かな行為を正当化するために、「公約」なるものをもちだしているが、これは、侵略戦争への美化論を日本の「国論」にすることをもくろむ一部“靖国”派への「公約」にほかならない。この「公約」への忠誠を最優先の任務として、日本の国益を犠牲にしてはばからない態度は、国政の最高責任者として許されないことである。
しかも、この「公約」論は、首相がこれまでくりかえしてきた「個人の心の問題」という言い逃れを、みずからうちくだいた。
一、この問題では、五年間、小泉首相のその政治姿勢をただすことができず、ついに事態をここまでいたらしめた自民党そのものが、政権党としての資質をきびしく問われていることを、指摘しなければならない。
わが党は、だれが自民党の後継総裁、次期首相になろうとも、日本外交のこの異常な誤りをすみやかに是正し、参拝を中止することを強く求めるものである。