2006年8月17日(木)「しんぶん赤旗」
庶民大増税 なぜなぜ問答
消費税編 5
Q 社会的格差への増税の影響は?
「社会的格差の広がり」が問題になっていますが、消費税を増税したらどういう影響があるでしょうか。
史上最高
生活保護受給世帯が百万世帯を突破し、「貯蓄ゼロ」世帯が23・8%と四世帯に一世帯に迫っています。単身世帯の場合、「貯蓄ゼロ」世帯は四割を超えています。教育扶助・就学援助(修学旅行費や学用品の援助)を受けている児童・生徒は12・8%に増えています。いずれも史上最高です。
一九九七年をピークに、国民全体の所得は下がり続けています。その中での社会的格差の広がりは、低所得世帯の生活が成り立たない状況に追い込んでいます。
消費税は、低所得者ほど負担の重い税金です。ですから、消費税の税率が上がれば上がるほど、ますます格差が拡大し、低所得者の生活を圧迫することになります。
たとえば、年金だけで生活している高齢者世帯(夫婦二人のみ)の場合、毎月の収入に対する消費税負担率は5・7%にもなります。年金収入だけでは暮らせないため、預貯金を取り崩して消費しているからです。年金が月二十万円以下の世帯に限ってみると、負担率はさらに高く、6・9%に達しています。
取り崩し
もっと大変なのは、失業者世帯です。「世帯主が職探し中で、誰も働いていない」という世帯の場合、失業手当や親族からの仕送りなどを含めても毎月の平均収入は十万円足らずで、預貯金を毎月十六万円も取り崩す生活です。収入に対する消費税負担率は9・7%にもなります。
もし、消費税率が10%になったら、失業者世帯の消費税負担率は20%近くにまで上昇してしまいます。
生活を維持するためには、預貯金をさらに取り崩すしかなく、「貯蓄ゼロ」世帯や、生活保護世帯がますます増加することになってしまいます。(つづく)
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