2006年8月20日(日)「しんぶん赤旗」
加藤氏実家 放火事件
官邸沈黙 批判の声
山形県鶴岡市の加藤紘一元自民党幹事長の実家兼事務所が全焼した放火事件は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝を批判してきた加藤氏の言動への凶暴なテロ行為とみられています。しかし、小泉首相や安倍晋三官房長官は夏休み中ということもあってか沈黙を守っており、事件への危機感がうかがえないとの批判の声が出ています。
加藤氏は事件発生翌日の十六日、「わたしの発言は全然変わらない。政治家である以上、話をやめたら任務放棄だ」と強調。十八日には盟友の山崎拓前副総裁らと会談し、アジア外交立て直しの勉強会結成で合意するなど、自説を曲げない構えです。
日本共産党の市田忠義書記局長は十七日、「『国民の代表』として活動する国会議員の発言を暴力で封じることがまかり通れば、民主主義の土台が脅かされることにもなる。断じて許されない」とのコメントを発表。民主党の小沢一郎代表も「非常に社会的に嫌な雰囲気を感じる」と懸念を表明しました。
これと対照的なのが、官邸の対応。留守番役の鈴木政二官房副長官は「まだきちんと掌握していないので、いろいろと調整している」と述べただけでした。
山崎氏は「危機意識が薄い。ちょっとでも(暴力の)芽があれば摘まなければならないのに」と指摘。河野太郎法務副大臣はメールマガジンで「政府も自民党も、もっと強い決意表明があっても良かったのではないか」と疑問を呈しています。