2006年8月24日(木)「しんぶん赤旗」
介護保険
利用者に重大な支障
民医連が厚労省に改善要請
四月にスタートした改悪介護保険法のもとで、利用者が必要な介護サービスを受けられない事態が相次いでいるとして全日本民主医療機関連合会(全日本民医連、肥田泰会長)は二十三日、厚生労働省に介護保険制度の改善・見直しを求める要望書を提出、担当者と交渉しました。
要望書は、(1)新しい介護認定システムでは、本人の状態と判定結果に著しい乖離(かいり)がある(2)「介護予防」にたいする報酬が低いため介護プランの作成を断られるケースが多数出ている(3)十月から「軽度者」について、電動ベッドや車いすの利用を保険給付の対象外にすることは、利用者の移動・外出の手段を奪う――と問題点を指摘。「介護予防」を掲げる一方で、利用者の生活基盤をきりくずすのは本末転倒として、制度の見直し、運用の改善を求めています。
交渉では、鈴木篤副会長ら十五人が参加。全日本民医連が実施した全国調査の例などを具体的に示して要請しました。このなかで、末期がんで余命三カ月と宣告された人が「要支援」と認定され、本人が途方にくれているなど、深刻な例が次々と出されました。
要請に対して厚労省老健局の担当者は「サービスが減ることは仕方ない部分もある」などと、制度運用の改善などについては明言しませんでした。