2006年8月25日(金)「しんぶん赤旗」

軽度者介護

用具の一律回収是正

厚労省、現場混乱し連絡


 介護保険法の改悪によって、「軽度者」の車いすや電動ベッドなどの利用が保険給付の対象外にされ、利用者からの用具引き揚げが問題になるなか、厚生労働省が“機械的・一律に用具の回収をしないように”とする事務連絡を都道府県の担当者に送っていることがわかりました。

 同連絡は十四日付で同省老健局振興課が出したもの。留意事項として、「軽度者であることをもって機械的に保険給付の対象外とすることのないよう、例外に該当するか否かについて確実に確認をする」ことなどを求めています。

 四月から実施された改悪介護保険法では、「要支援1」「同2」「要介護1」の「軽度者」については車いすなどの福祉用具を、「一定の条件に該当する者」を除いて、保険給付の対象外にしました。

 同時に、「一定の条件」としては、例えば車いすについて「主治医の意見を踏まえつつ、日常生活範囲の移動の支援が特に必要と認められたもの」と限定を付け、保険の対象にしています。

 また、用具を現在利用している人については九月三十日までは「経過措置」として保険給付を認めてきました。

 しかし、現場では、経過措置が九月末で終了するのを前に、市町村の担当者などが「一定の条件」に該当する人を含めて、一律に用具を回収する事態が起きるなど混乱が拡大。この事態に対処するため、厚労省はあわてて事務連絡を出したものです。

 大本の「用具取り上げ政策」を変えないまま、混乱の責任が「現場の行き過ぎ」にあるかのようにいう厚労省の姿勢そのものが問われています。


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