2006年9月3日(日)「しんぶん赤旗」
イラク“内戦の懸念”
米国防総省
武装攻撃は7月最多
【ワシントン=山崎伸治】米国防総省は一日、三カ月ごとに議会に提出するイラク情勢報告を公表し、「内戦につながりかねない状況がイラクにある」との認識を示しました。同時に、「現在の暴力行為は内戦ではなく、内戦に向かう動きは防止できる」と強調しています。
報告によると、今年五月二十日から八月十一日までの約三カ月間で、武装攻撃件数の週あたり平均がその前の三カ月よりも15%増加。「七月は過去最高」でした。攻撃のうち民間人に対するものは四月の11%から六月は15%に増えています。
米軍など多国籍軍部隊の犠牲者が同じ期間にほぼ横ばいなのに対し、イラク人の犠牲者は51%も増えています。「イラク国内の暴力行為は、単一に組織化・統一された反対派や武装勢力のものではありえず、治安情勢は現在、イラク自由作戦の開始以来最も錯綜(さくそう)している」とし、暴力行為の広がりに危機感を表明しています。
さらに「民族・宗派間抗争の継続がイラクの安全と安定にとって最大の脅威」だと分析。内戦の懸念は「バグダッドとその周辺」で特に強いと指摘しています。